2023-03-17から1日間の記事一覧
「少女病」(1907)から「蒲団」(1907)へ。ここには作者田山花袋のロマンチシズムからリアリズムへの脱皮が見られ、作家としての成長も見受けられ、同時に恋愛のいわば進化も見られる。ここでは、そういったことについてちょっとばかり筆を滑らせてみよう。 田山花…
自然には二つの意味がある。その二つの意味合いは田山花袋の代表作「蒲団」、並びに晩年の好短編「一兵卒」において確認できる。 自然概念について言えば、その意味するところは、一つは生き生きと生きたいとする生の欲望であり、そのために「蒲団」では枯れか…